今回はピアニストの方が舞台で着る為のドレスのご希望です。
留袖ですが柄が飛んでるので洋服にしても、おなじみの感じにはならないかなと、相談されました。
留袖はどうしても柄がメインで綺麗につないで着物の時の柄は生かしてドレスを作る事が多いです。
せっかくの柄ですしね。
でもこだわる方はそれがイヤなんですよね。
で、この着物は柄が密集してないからと思われたみたいです。
甘い感じは大の苦手だそうです。
フリルなんて拒絶です!
男性っぽいのがお好き。
でも舞台だからドレスなんですよね。
シンプルイズベスト!
でもですね 留袖・・・
襟はボートネックに成りました。
で上半身に柄を持って来てスカートは無地にしましょうと提案しました。
スカートもフワーっと広がってるのはお気に召さない。
細くてボインちゃんです。
今から仮縫いですが、スカートがどうなってるのかはご存じない。
ストレートのロングでは歩けないですよね。
ピアノを弾くときは足も使いますから、広げますしね。
で、ウエストはタックも嫌い。
考えましたよ。
センターに細い間隔でボックスプリーツを5本とりました。
これが4センチくらいの普通の幅だと面白くないしおばさんぽくてイヤだと思われます。
足の付け根より下まで中縫いして開かない様にして有ります。
之だと歩けるし動いた時にプリーツも開いて綺麗です。
立つとスッキリと細くなります。
ソフトプリーツでは無くてきっちりとプレスします。
あくまでストンと落ちる様に。
今から仮縫いですが、身体が入らないと全く分かりません。
これはどなたも一緒です。
サイズだけでは全く分かりません。
バストサイズと言っても差寸が大きい人、鳩胸で大きい人。全体にお肉が付いて大きい人。
全部型紙は違います。
見た時に反身の人は前の丈を長くして有りますがこれも体が入らないとウエストのラインは分かりません。
お袖もその人によってどこが太いかも違います。
ヒップのラインは本当に人それぞれです。
仮縫いは体型を綺麗に見える様に修正していきます。
身体のラインに合わせ過ぎるとダメなんですね。
昔のオーダーがダサいのはそういう事も有るんです。
既製服はボディーでカッコよく見える様に作ります。
だから服の中で体が泳いでる方が綺麗に見えるのです。
だって洋服はカッコ良いのだから。
肩幅はとても重要です。
狭いと顔が大きく見えてしまいます。
うまーく誤魔化してあげるのが大事なんです。
私は長くアパレルをやって居るのでミセスのお洋服を製造して来ました。
そのあたりの経験が財産に成っています。
今デザインとパターン(型紙)両方出来る人は本当に少なくなっています。
昔のお仕立てやさんや縫製をやって来た人はデザインが専門では無いですね。
だから、ネットで良く有るダボっとしたおばさんぽい物に成ってしまいます。
仕方無いんです。縫製も大事な仕事です。
縫製工場さんの腕で同じ型紙でも出来上がる商品は別物に成ります。
完全にオーダーで作ってる所は少ないです。
リメイクは高いと皆さん思っていらっしゃいますがどれだけ時間をかけているかという事なんです。
もっと手抜きをしたらよさそうな物ですが、やっぱりねー。それが出来ないんですよね。
身体に綺麗に合わせて着やすくカッコよく見せようと思うと1着作るのに型紙が40枚と言う場合も少なく無いんです。
左右の体が同じとは限りません。
どちらかに歪んでおられる方も多いんです。
そうすると左右の型紙を作ります。
で、どんどん時間が掛かってしまうんですね。
だから出来上がったらとっても喜んで頂きます。
手間も時間も掛けていますからね。
サンプルを作ってショップに載せて貴方の着物で同じものを作りますとした方が仮縫いもいらないし
早く出来上がるし安く出来ます。
でも自分の体に綺麗に合うのは難しいです。
そういうやり方はほとんどがフリーサイズみたいなデザインですね。
これも仕方がない。
大多数の人に合う様に出来るだけ簡単に作れるようにと言うとそうなります。
自分がどうしたいかで選ばれたら良いと思います。
人が着ていないのが欲しいと思われるオシャレな方が選んで来て下さる事が多いです。
せっかく着物を用意して下さったお母様の気持ちにこたえたいと思います。
自分だけの自分の希望に沿った世界で1枚だけのお洋服が出来上がりますから、本当に喜んで下さいます。
会社は三宮に有ります。是非お立ち寄りください。
今冬物がかなりお買い得に成っています。
定価に関係なく¥5,000のラックも有ります。